SEOに取り組むなら、「キーワード難易度」を無視することはできません。無料ツールでキーワード難易度を調べたことがある人は多いのではないでしょうか。
この記事では、SEOにおけるキーワード難易度とは何かを説明しています。「キーワード難易度はどうやって算出されているんだ?」などの疑問を解消できれば幸いです。
- SEOにおけるキーワード難易度とは
- SEOでキーワード難易度が重要な理由
- SEOのキーワード難易度を決定する要素
- SEOツールを使ったキーワード難易度の調べ方
- SEOではキーワード難易度の見極めが重要
SEOにおけるキーワード難易度とは
SEOにおけるキーワード難易度とは、「その言葉の検索結果において上位に表示される難しさ」を意味します。Webページを特定のクエリで検索結果上位に表示させたいとき、キーワード難易度が高ければ実現は困難、キーワード難易度が低ければ比較的容易、ということです。
SEOの経験が豊富なら、キーワードを見ただけで難易度をある程度は予測できますし、実際の検索結果から判断することもできます。SEO初心者の場合、キーワード難易度を数字で表現してくれるツールを使えば、難易度を把握することが可能です。
SEOでキーワード難易度が重要な理由
SEOにおいてキーワードの難易度が問題になる理由は、難易度がSEOの成否に関わっているからです。多くの場合、「SEO記事を作ろう」と思い立ったら、ターゲットとするキーワードの検索ボリュームを調べるでしょう。
「ボリュームが大きいから多くのトラフィックを見込めそう。このキーワードにするか」
「ボリュームが小さいからトラフィックは期待できなそう。このキーワードは止めておこう」
と考え、対策キーワードを決定するはずです。
しかし、検索ボリュームが大きいキーワードを選んでも、難易度を度外視するとどうなるでしょうか。「頑張って記事を作ったのに、10位以内どころか50位以内にも入らず、トラフィックがほとんど発生しない」という事態になりかねません。
SEOとは、検索エンジンを通じて集客し、事業などにおける目的を達成すること。検索結果の上位にコンテンツが表示されなければ、SEOが成功したとはいえません。
このような理由で、SEOの成功にはキーワード難易度の考慮が必要なのです。
SEOのキーワード難易度を決定する要素
SEOツールによってはキーワード難易度を数値で確認できますが、Googleが提供している公式データではないことに注意が必要です。Google広告内のツール「キーワードプランナー」だと、検索ワードのボリュームを知ることはできるものの、自然検索結果における上位表示の難易度はわかりません。
キーワード難易度は、各ツールが収集した多様なデータをもとに、独自に算出されています。私が愛用しているSEOツール「Semrush」だと、キーワード難易度の計算には「現在ランク付けされているページのオーソリティ、バックリンク数と種類(follow/nofollowの比率)、その他、キーワード固有のデータ」が使われているとのことです。
Semrushと同様に世界中で使われているSEOツール「Ahrefs」の場合、キーワード難易度の算出には「ランキング上位10ページが持つ参照ドメイン数」を使用しているとのこと。参照ドメインとは、「いくつのドメインから被リンクがあるか」を意味します。
つまり、グローバルなSEOツールだと、キーワード難易度は主に2つの要素から算出されているわけです。
- 被リンク
- ページオーソリティ
被リンク
被リンク(バックリンク)とは、他のドメインからリンクを貼られること、あるいは貼られたリンクを意味します。単純に表現すると、被リンクの多さは「多くの人から高く評価されている・注目されている」ことを意味するため、「検索結果上位に表示するべきだ」と検索エンジンに判断されやすいのです。
検索結果上位のページは、ページそのものあるいはドメイン全体の被リンクが多い傾向にあります。そのため、SEOツールは検索結果の上位ページを分析し、
「被リンクが非常に多いページばかりだから、このキーワードで同じくらいの被リンクを獲得して上位に入るのは難しいだろう」
「被リンクが少ないページが多いから、上位に入るのに被リンクは重要でないだろう」
とキーワード難易度を算出するのです。
ページの権威性
Semrushにおける「ページのオーソリティ(権威性)」とは、特定のページにおける「全体的な品質」を数値化したものです。ページオーソリティには、次の要素が影響しています。
- 被リンクの質・量
- 自然検索トラフィック
被リンクの質
被リンクについては、1つ前の小見出しで簡単に解説しましたが、引き続き説明します。
被リンクの「量」は分かりやすいとして、「質」とは何を意味するでしょうか? それは、「どんなWebサイトからリンクされているか」です。
つまり、「有名なWebサイトからの被リンク1件」と「誰も知らないWebサイトからの被リンク1件」を比べると、前者の質が圧倒的に高いといえます。多くの人が読む人気のWebメディアや、官公庁や研究機関といった組織のWebサイトからリンクされているページは、権威性が高いと判断されるのです。
自然検索トラフィック
Semrushは、自然検索での流入が多いページを「権威性が高い」と判断します。自然検索流入の多さは、
- 検索ボリュームの大きいキーワードで上位に表示されている
- 多くのキーワードで上位に表示されている
ことを示しているため、
- 被リンクの質・量が優れている
- ページの内容がユーザーの検索意図に合致している
と判断しているのではないでしょうか。
SEOツールを使ったキーワード難易度の調べ方
SEOにおけるキーワード難易度について、お分かりいただけたでしょうか。続いて、実際にキーワード難易度を調べてみましょう。
「seo キーワード 難易度」で検索すると、無料で使えるツールが上位に表示されます。しかし、私としてはおすすめできません。
というのも、試しに「不妊治療」の難易度を調べたところ、「51」と出ました。当該ツールを提供する企業によると、51は「ライバルサイトが弱め」とのことです。
しかし、「不妊治療」は明らかにYMYL領域で、検索結果上位のドメインは「go.jp」「or.jp」「lg.jp」で占められています。個人ブログや一般企業が10位以内に入るのは、まず無理だと考えられるでしょう。
一方、Semrushの「キーワードマジックツール」でキーワード難易度(KD:Keyword Difficulty)を確認したところ、「62」と出ました。62のKD区分は「困難な」であり、「多くの参照ドメインと最適化されたコンテンツが必要になります」と説明されています。
つまり、コンテンツの質が高いのはもちろん、多くのドメインから被リンクを獲得しなければ、上位表示できないということです。こちらのほうが実態に近い評価ではないでしょうか。
キーワード難易度の算出方法や結果は、ツールによって異なるもの。無料ツールでは厳しい部分があるので、有料ツールの使用をおすすめします。
SEOではキーワード難易度の見極めが重要
SEOにおけるキーワード難易度の重要さについて解説しました。自然検索トラフィックを期待してコンテンツを制作する際は、ボリュームが一定以上あるだけでなく、難易度が一定以下のキーワードを選ぶ必要があります。
例えばSemrushの「キーワードマジックツール」だと、関連キーワードの難易度を一覧できます。
「不妊治療」だとKDが62ですが、「不妊治療 保険適用 どこまで」なら28。「易しい」判定で、「キーワードの意図に沿った質の高いコンテンツが必要になります」とのことです。
実際の検索結果を見てみると、政府のWebサイトも含まれるものの、上位の多くはクリニックや一般企業のオウンドメディアです。YMYL領域であることには変わりないため、個人ブログでは太刀打ちできないものの、不妊治療や保険に関連するクリニック・企業のSEOとしては、十分に検討の余地があるでしょう。
このように、キーワード難易度は、SEOの推進にあたり重要な要素です。実際の検索結果を確認する必要はありますが、その前段階として数値を一覧できると便利なので、信頼できるSEOツールを使いキーワード難易度分析をしてみてください。